【米国企業分析】Zoomは世界シェアNo.1のビデオ会議アプリの会社
Zoomは世界一のシェアを誇るビデオ会議アプリの会社です。

この記事では、Zoom Video Communications, Inc.(NASDAQ:ZM)に関して分析します。

資料はZoomのIRページより抜粋しました。

https://investors.zoom.us/investor-relations/

Zoomは世界中で大人気

下記の図は、emailtooltester.comによるビデオ開始のシェアーマップです。

ほとんどの国でNo.1です。

Videoconferencing apps market share
https://www.emailtooltester.com/en/blog/video-conferencing-market-share/

また、Oktaの2020年のレポートでも、Zoomが圧倒的なシェアを誇ることがわかります。

伸びがすごい。

https://investors.zoom.us/investor-relations/
仕事でも良く使いますが、Zoomは使い勝手が良いんですよね。社外の方とのコミュニケーションは、ほとんどZoomで行うようになってきました。
次がGoogle Meetですね。

株価の推移

2020年の初日が68ドル、2021年6月3日時点で321ドルなので、5倍近くになっています。

2021年Q1決算資料

需要

顧客も増え、Zoomのサービスの利用時間も伸びています。

社員数10名以上の顧客社:+354%

新規顧客向けに発行されたライセンス:17万5000

グローバルTop2000顧客の利用時間:+200%

https://investors.zoom.us/investor-relations/

Q1売上

2021年Q1の売上は、2020年Q1の売上の約3倍(+191%)です。
https://investors.zoom.us/investor-relations/

2020年の成績

2020年は2019年に比べ、売上が4倍以上(+326%)になっています。株価が5倍近く上がっているのも納得ですね。
https://investors.zoom.us/investor-relations/

Zoomの顧客

2020年Q1に比較した、2021年のQ1の成績です。
B2B企業ですね。
  • 12ヶ月間10万ドル以上使う顧客社数:1,999社(+160%)
  • 社員が10名以上の顧客:約50万社(87%増加)
  • 社員が10名以上の顧客の売上に占める割合:63%
https://investors.zoom.us/investor-relations/

既存顧客

既存顧客からの売上は伸び続けています。
12四半期連続で、既存顧客が前四半期比より+30%を使ってくれているとのことです。
  • Net Dollar Expansion Rate = Net Dollar Retention Rate(既存顧客の売上維持率)
  • 12四半期連続で、+30%
  • Net Dollar Expansion Rateは、顧客満足度尺度であり、顧客当たりの売上が伸びていることを意味する。
https://investors.zoom.us/investor-relations/

グローバルな成長

2021年Q1の全世界での売上成長率は+288%(3.9倍)でした。
また、その成長により、米国以外の売上の占める割合が増えてきています。
  • 米国での成長:2.6倍(+159%)
  • グローバル市場での成長:3.9倍(+288%)
  • 売上におけるグローバル市場の占める割合:33.5%
https://investors.zoom.us/investor-relations/

RPO

これから売上になる、RPOも倍近く成長しています。

RPOとは、Remaining Performance Obligation(今後売上になるもの)

$2.073B中、$1,492BはCurrent RPO(今後12ヶ月以内に売上になる)

https://investors.zoom.us/investor-relations/

マーケットプレイス

競合に思える、Teams、Slack等とも連動できるアプリを多数用意しています。
https://investors.zoom.us/

Zoom Phone

HWも提供しています。
HWを一度導入したら、Zoomやめられなくなってしまいますね。

Zoom Phoneは100%クラウドで運用される電話サービスで、既存の電話網に対し維持費が安いとのことです。

また、ビデオ会議とも統合が可能とのことです。

https://investors.zoom.us/investor-relations/

2021年見通し

売上見通しを上方修正してきました。
https://investors.zoom.us/investor-relations/
  • 2020年の売上が、$2,651 millionなので、5割程度成長を予測
  • Non-GAAP Operating Incomeも2割程度成長を予測

CEO

創業者で、CEOのEric S. YuanはCEO信用部門が最も高いCEOの一人です。
中国生まれで、英語が話せない状態で移住し、就労ビザ申請を8回も拒否されたとか。
シスコを退社し、Zoomを創業する際には、40人もの同社のエンジニアが共にして、シスコの経営陣からも300万ドル投資してもらったとのことです。
https://investors.zoom.us/

Zoomへの投資を検討すべき理由

グローバルビデオ電話・電話市場は、2025年まで、年平均9.5%成長することが予想される

成長率が高い: 2021年Q1の売上が2020年Q1の売上の約3倍(+191%)

収益率が高い: (Profit Margin)が25%以上

Free Cash Flow Margin: 50%以上

グローバルな成長:米国以外での売上が全体の33.5%

もはや一般名詞:「Zoomで」で通じる

マーケットプレイス:様々な機能が持続的に追加される生態系が出来つつある

一般名詞となったサービスは強いですね。
ポスト・イット、宅急便、ググる…

2025年の予想株価

数字はSeeking Alphaより抜粋(2021年6月時点)

予想株価

Target Price = Revenue per share * PSR

アナリストの売上予測に、PSRをかけて簡単に試算してみます。

Revenue per share

2025年売上予測(アナリスト)

$8,310M

発行株式総数(Shares outstanding):

236.28M

Revenue per share

8310M / 236.28M = $35.17

PSR

Zoomの現在のPSR

27.99(2021/06/02時点)

過去10年のPSR平均

43.68

現時点の株価(2021/06/02時点)

$319.01

2025年の予想株価

過去10年平均PSR

$35.17 * 43.68 = 1536.23 (+382%)

現在のPSR

$35.17 * 27.99 = 984.4 (+208%)

現在のPSRを維持するなら、2025年までに3倍程度になりそうですね。

Zoom:懸念点

PSRが高い

27.99とかなりプレミアムが乗っていると思います。

競合

現時点では圧倒的なシェアNo.1ですが、MicrosoftのTeams、Google Meetなど競合も強く、特にTeamsはOutlook・Skype等のMicrosoftのサービスとの連携も便利なので追い上げて来る可能性はあると思います。

コロナが収まった後のマーケット

コロナ以前に完全に戻ることはないかもしれませんが、オフラインでの打合せが増えるとZoomの成長が遅くなる可能性があると思います。

売上の成長が遅くなれば、株価が暴落する可能性があると思います。

所感

2021年のQ1が前年対比で+191%とすごい勢いで成長していました。

競合もいるものの、業界全体が年10%程度の成長する可能性があるとのことなので、順調に成長し続けていきそうです。

まだ投資していませんが、もう少し株価が下がれば、検討しようと思います。

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