

この記事では、Zoom Video Communications, Inc.(NASDAQ:ZM)に関して分析します。
資料はZoomのIRページより抜粋しました。
https://investors.zoom.us/investor-relations/
Zoomは世界中で大人気
下記の図は、emailtooltester.comによるビデオ開始のシェアーマップです。
ほとんどの国でNo.1です。

また、Oktaの2020年のレポートでも、Zoomが圧倒的なシェアを誇ることがわかります。
伸びがすごい。


次がGoogle Meetですね。
株価の推移


2021年Q1決算資料
需要

社員数10名以上の顧客社:+354%
新規顧客向けに発行されたライセンス:17万5000
グローバルTop2000顧客の利用時間:+200%

Q1売上


2020年の成績


Zoomの顧客

B2B企業ですね。
- 12ヶ月間10万ドル以上使う顧客社数:1,999社(+160%)
- 社員が10名以上の顧客:約50万社(87%増加)
- 社員が10名以上の顧客の売上に占める割合:63%

既存顧客

12四半期連続で、既存顧客が前四半期比より+30%を使ってくれているとのことです。
- Net Dollar Expansion Rate = Net Dollar Retention Rate(既存顧客の売上維持率)
- 12四半期連続で、+30%
- Net Dollar Expansion Rateは、顧客満足度尺度であり、顧客当たりの売上が伸びていることを意味する。

グローバルな成長

また、その成長により、米国以外の売上の占める割合が増えてきています。
- 米国での成長:2.6倍(+159%)
- グローバル市場での成長:3.9倍(+288%)
- 売上におけるグローバル市場の占める割合:33.5%

RPO

RPOとは、Remaining Performance Obligation(今後売上になるもの)
$2.073B中、$1,492BはCurrent RPO(今後12ヶ月以内に売上になる)

マーケットプレイス


Zoom Phone

HWを一度導入したら、Zoomやめられなくなってしまいますね。
Zoom Phoneは100%クラウドで運用される電話サービスで、既存の電話網に対し維持費が安いとのことです。
また、ビデオ会議とも統合が可能とのことです。

2021年見通し


- 2020年の売上が、$2,651 millionなので、5割程度成長を予測
- Non-GAAP Operating Incomeも2割程度成長を予測
CEO

中国生まれで、英語が話せない状態で移住し、就労ビザ申請を8回も拒否されたとか。
シスコを退社し、Zoomを創業する際には、40人もの同社のエンジニアが共にして、シスコの経営陣からも300万ドル投資してもらったとのことです。

Zoomへの投資を検討すべき理由
グローバルビデオ電話・電話市場は、2025年まで、年平均9.5%成長することが予想される
成長率が高い: 2021年Q1の売上が2020年Q1の売上の約3倍(+191%)
収益率が高い: (Profit Margin)が25%以上
Free Cash Flow Margin: 50%以上
グローバルな成長:米国以外での売上が全体の33.5%
もはや一般名詞:「Zoomで」で通じる
マーケットプレイス:様々な機能が持続的に追加される生態系が出来つつある

ポスト・イット、宅急便、ググる…
2025年の予想株価
数字はSeeking Alphaより抜粋(2021年6月時点)
Target Price = Revenue per share * PSR

2025年売上予測(アナリスト)
$8,310M
236.28M
8310M / 236.28M = $35.17
Zoomの現在のPSR
27.99(2021/06/02時点)
過去10年のPSR平均
43.68
現時点の株価(2021/06/02時点)
$319.01
過去10年平均PSR
$35.17 * 43.68 = 1536.23 (+382%)
現在のPSR
$35.17 * 27.99 = 984.4 (+208%)

Zoom:懸念点
PSRが高い
27.99とかなりプレミアムが乗っていると思います。
競合
現時点では圧倒的なシェアNo.1ですが、MicrosoftのTeams、Google Meetなど競合も強く、特にTeamsはOutlook・Skype等のMicrosoftのサービスとの連携も便利なので追い上げて来る可能性はあると思います。
コロナが収まった後のマーケット
コロナ以前に完全に戻ることはないかもしれませんが、オフラインでの打合せが増えるとZoomの成長が遅くなる可能性があると思います。
売上の成長が遅くなれば、株価が暴落する可能性があると思います。
所感

競合もいるものの、業界全体が年10%程度の成長する可能性があるとのことなので、順調に成長し続けていきそうです。
まだ投資していませんが、もう少し株価が下がれば、検討しようと思います。