【米国企業分析】Unityは世界一使われるゲームエンジンの会社

こんにちは。寅さんです。

Unityは世界一のゲームエンジン会社です。(Ticker:U)

ゲーム業界だけではなく、映画、アニメーション、建築設計、自動車、造船、運送など、様々な分野への拡張していて、AR/VR産業の拡大によりさらなる売上拡大が見込める企業です。

この記事では、Unityに関して分析しました。

ご参考にしていただければ嬉しいです。

※株式の購入を推奨しているわけではこざいません。投資する場合は、自己責任でお願い致します。

まとめ

  • 世界のゲームの45%以上がUnityを使用
  • 世界のTop100のゲーム開発会社の94社がUnityを使用
  • アンドロイド、iOSのゲーム部門Top1000の53%がUnityを使用
  • ゲーム開発会社がゲームエンジンを変更することは多大な労力を必要とする
  • 映画、アニメーション、建築設計、自動車、造船、運送など、様々な分野への拡張の見込み
  • ターゲット市場の成長余地が莫大(ゲーム120億ドル、ゲーム以外170億ドル)
  • ゲーム産業のソーシャルプラットフォーム化(メタバース)
  • 様々な産業でのAR/VRを利用した仮想環境の構築が拡大される
ゲーム市場で圧倒的な地位を築き、映画、建築等にビジネスを広げています。
これから伸びるであろう、AR/VR分野でも活用が期待できる、成長産業の成長企業です。

数値で見るUnity

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより
  • 毎月ダウンロードされるアプリの数:50億
  • 毎月使用する利用者数:25億人
  • Top10 自動車会社中、Unityの顧客数:10
  • Top100 ゲーム会社中、Unityの顧客数:94
ゲーム市場では圧倒的な地位を築いています。
Top10の自動車会社が使っているのは凄い。
ゲームだけではないです。

Unityが選ばれる理由

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより
  • Unityで作られたゲームはほとんどのゲームプラットフォームで動作
  • アンドロイド、iOS、PlayStation、XBOXなど、20以上のプラットファームに対応

様々なプラットフォームで使えるのが最大の利点ですね。

Unityで作っておけば、マルチプラットフォーム対応が簡単に出来るそうです。

売上の推移

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

2020年Q4売上:$220M (前年対比 +39%)

2020年売上:$772M (前年対比 +42%)

40%近い成長を続けています。

顧客の成長

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

2020年TTM 10万ドル以上の売上の顧客数:793 (前年対比 +32%)

2020年TTM 100万ドル以上の売上の顧客数:121 (前年対比 +86%)

2020年TTM 10万ドル以上の売上の顧客793社中、13%がゲーム以外の産業

2020年Q4 NER(Net Expension Rate):138%(同一顧客の売上成長率)

顧客の数も、顧客あたりの売上も大幅に成長し続けています。

Unityの3つのビジネスモデル

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

Operate Solutions:開発者、クリエーター、アーティスト、デザイナー、エンジニアにゲームエンジンを提供(有料は9%)

Create Solutions:CLOUDを基盤とした、分析、収益化、ホスティングサービスなと提供(Unity Adsの売上が90%)

Strategic Partnerships & Others:固定ロイヤリティ契約(ハードウェア、コンソール、OS等の企業とパートナーシップ)

分散は大事です。
Create SolutionはVR/ARがさらに普及すれば、広告収入をより得られるようになりそうですね。

2つの主要ビジネスモデルが成長

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

Operate Solutions:+54.0%

Create Solutions:+39.6%

Strategic Partnerships & Others:-21%

固定ロイヤリティ契約(ハードウェア、コンソール、OS等の企業とパートナーシップ)のみ、成長していないです。

2021年のガイダンス

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

2021年売上成長予測:23%〜26%

Unityの目標は2020年〜2025年に30%/年の成長を続けること(2020年は42%成長)

2021年も営業利益率は-9%〜11%で赤字

赤字企業です。
21年の売上成長率を23%〜26%と保守的に設定しています。
40%の成長を期待されていると思うので、懸念材料ですね。

PL

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

2020年売上成長率:42%

黒字化はまだ先

2020年の研究費用:前年対比+57.7%

2020年の売上の52.2%を研究に投資

研究費は前年対比で+57.7%
売上の半分以上を研究開発費として使っています。
長期目線で見ないといけない銘柄だと思います。

BLANCE SHEET

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

CURRENT RATIO = CURRENT ASSETS / CURRENT LIABILITIES

2,080,660 / 503,222 = 4.1347 (4.1)

総資産における負債の比率 = TOTAL LIABILITIES / TOTAL ASSETS

634,082 / 2,671,225 = 0.2374 (24%)

負債、多くはないですね。

投資リスク

  • Unrealエンジン(クオリティーはこちらが優れている)
  • 赤字の成長株:長期目線での投資が必要
  • 金利が上昇中:下落リスク
赤字企業で、成長の期待で上がっているので、金利上昇で株価が下落する危険があります。
実際、2020年の年末から半値近くになっています。

Unrealエンジンに関して

  • クオリティーでは、Unrealの方が優位
  • 使いやすさ、設定のしやすさ、サポート等はUnityが優位
  • 2社択一の競争が予測される
確かに強力なライバルとしてUnrealがありますが、二社択一的な競争があるだけで、そこまで懸念することも無い気がします。

Unityへの投資を検討すべき理由(魅力)

ゲーム市場の成長

https://investors.unity.com/overview/default.aspxより

2023年、2000億ドルを上回る見通し

2020年から毎年26%成長する計算

ゲーム市場は強い成長が期待されています。
成長産業の企業に投資したいですね。

事業の拡張

ゲーム産業の先頭を走っているが、次の手を考えている

映画、アニメーション、建築設計、自動車、造船、運送など、様々な分野に拡張予定

AR/VR、メタバースという時代の流れに合致

AR/VRの急成長の恩恵を得られる銘柄です。
ゲームだけではないのが安心ですね。

ゲーム市場だけではない

売上の12%がゲーム以外の市場から発生

現在、Top10建築会社中8社がUnityを使用

現在、Top10完成車メーカー中10社がUnityを使用

Unityはゲーム市場の規模より、その他のマーケットの潜在的な規模の方が大きいと判断している

Unityがビジネス拡張する可能性のある市場の規模は290億ドル

VR/AR方面に力を入れようとしている証拠

ゲーム市場では圧倒的な地位を築いていて、
これから多角化をさらに進めていくようです。
AR/VRの成長は著しく、その恩恵を得られる銘柄として注目するべきです。

AR/VR市場の成長可能性(多角化)

VR/ARはゲームだけではなく、教育、防衛産業、リテール、不動産、ビデオ、イベント、エンジニアリング、ヘルスケアなどにすべて使用される

(赤:2025年の市場規模)

AR/VRはこれから、ゲーム以外でも多く活用されるようになると考えられています。
成長産業の企業に投資したいですね。

AR/VR市場の成長

2020年から2027年まで、年平均52.1%の成長を期待

5G時代に最も注目されるのはAR/VR

AR/VRサービスへの広告市場も同じく成長予定(Unity Ads)

AR/VR自体も非常に速い速度で成長すると予想されます。

予想株価(2025年)

(数字はすべて、Seeking Alphaより抜粋)


Revenue Estimate 2025 : 2.61B

SHARES OUTSTANDING: 273.54M

REVENUE PER SHARE

= $2,610M / 273.54M = $9.54

過去5年の平均PSR:37.78

3月6日時点の株価:93.82

  • 現在のプレミアム(PSR)を維持するなら

9.54 * 31.76 = 302.9904 (3.2倍)

  • 過去最低のPSR

9.54 * 25.60 = 244.224 (2.6倍)

  • 過去最高のPSR

9.54 * 53.28 = 508.2912  (5.4倍)

現在のPSRを維持するなら、2025年に240程度になる計算です。

寅さんの所感

赤字企業ですが、売上の52.2%も研究開発費に投資していて、長期的に成長していく意気込みを感じる企業でした。
ゲーム産業に留まらず、建築設計、映画、アニメーション、造船、自動車等、ビジネスを広げて行っていて、AR/VR、メタバース産業の成長と共に成長出来る企業と感じました。

ここ数ヶ月、半分近く下落(12月22日の172.29 → 5月24日の96.31)
していますが、長期的には成長する企業だと思いました。
長期的な成長を見込んだ株価なので、金利上昇の影響を強く受けていると思います。
すぐには投資せず、様子を見たいと思います。
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